新しい人工知能 発展編

新しい人工知能 発展編

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前田 隆 青木 文夫
オーム社
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非単調論理、デフォルト推論(暗黙推論)、様相論理やそれらの関係性について知る目的で、4章「不完全知識の処理」のみを読んだ。
デフォルト推論: 不完全知識の処理を実現するアプローチであり、その時点でわかっている範囲の知識のもとでこれらに矛盾しない結論を導くような推論方式(cf.例外処理を行うアプローチ)。後述の様相演算子Mを導入し、P∧MQ→Rという様相論理を、Qが導出されない限りPからRを導出するものとし、一階述語論理の枠組みで推論する方法である。
非単調: 新しい知識の増加が必ずしも全体としての知識の単調な増加をもたらさないという、デフォルト推論に付随する性質。デフォルト推論では、それまで成立していた性質や規則が取り消される自体が起こりうる。
様相論理: ほかの知識と矛盾しないことを表現する様相演算子を導入した論理体系。狭義の様相論理(必然的に成り立つ/可能である)、知識論理(知っている(信じている)/知らない(信じていない))、義務論理(義務である/許される)、時制論理などがある。これらは相互に独立ではないので、混在させて使うことは難しい。これらを用いる推論規則は、ある主張・情報の否定が導かれることがない限り、その主張・情報が成り立つ(矛盾しない)ものとして扱う。

閉世界仮説、開世界仮説
真理維持システム(TMS:truth maintenance system),
JTMS:justification-based TMS, ATMS:assumption-based TMS
アブダクション(abduction:発想的推論)
(1) ∀x[人間(x)→死ぬ(x)
(2) 人間(ソクラテス)
(3) 死ぬ(ソクラテス)
とし、演繹的推論は(1)∧(2)→(3)を導出するのに対し、
帰納的推論は(2)∧(3)→(1)を、発見的推論は(1)∧(2)→(3)を導出する
アブダクションの効率のよい実装は知られておらず、真理ベースから帰結を導出可能な、仮説ベース中の仮説を探索するような研究がある。