書楼弔堂 待宵 | 京極 夏彦
書楼弔堂シリーズ第三弾。第一、二弾も読んでいたような気がしていたが、もしかすると第二弾「炎昼」は未読かもしれない。弥蔵さんの過去が最後に明かされる。
Federated Learning: プライバシー保護下における機械学習 | Qiang Yang, Yang Liu, Yong Cheng, Yan Kang, Tianjian Chen, Han Yu
年始の休みに読了.学ぶためではなく知るためのテキスト.原文も訳も良くはないのだと思うが,知ることが目的ならば十分.これを起点に学べばいい.ただし,機械学習,プライバシー(準同型暗号,MPC,差分プライバシー)などは,それなりの知識がないと意味不明かも(経験などはなくてもかまわないが).お勧めはしないが,日本語でFederated Learningを扱った書籍は,現在これしか見当たらないので,それだけでも助かる.
2022年に読んだ本
ここにポストしただけだと5冊のみ.だが,十字軍物語はあと1冊か2冊ぐらい読んだような気もする.他にも,読んだけど記録しなかったもんがあったような気もする.いずれにしても,大して読んでない.まあいい.
- 高熱隧道 (新潮文庫) 吉村昭 - inak0shiのブログ
- mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来 | ジョー・ミラー - inak0shiのブログ
- 十字軍物語〈1〉 | 塩野 七生 - inak0shiのブログ
- 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書) - inak0shiのブログ
- 最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング - inak0shiのブログ
高熱隧道 (新潮文庫) 吉村昭
2022年8月に念願の黒部第四ダムを訪れて知った,ご当地小説.吉村昭の高熱隧道は,黒部の太陽が扱う第四ダムより前の,第三ダム建設の当時のストーリー.トンネル(隧道)を掘るときに,岩盤が高温になるなんて知らなかった.ただ,それ自体は稀まれなことではないのだけど,黒部第三ダムの場合は160℃を越え(だったかな),今でも岩盤は結構熱いのだとか.アルペンルートを踏破すると体験できるのだけど,おそらく一生行くことはないだろう.行ってみたいのだけど,それなりに危険なようだし,挑むには年を取りすぎたと思う.YouTubeで見ておくぐらいがちょうどよい.
https://www.amazon.co.jp/dp/4101117039/
mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来 | ジョー・ミラー
「ファイザー製」でとおっているビオンテック社のCOVID-19ワクチン開発ストーリー.ロンドンに住んでいてロックダウンが繰り返された裏側では,こんなことが起こっていたんだ,と当時を振り返りながら読んだ.日系人向けに某メディア主催の勉強会ではmRNAついて勉強したりしたものだが,そんな風にのんきに学ぶ気になったのは,集団接種が始まって,パンデミックをコントロールできる可能性が見えてきてからだった.開発した当事者にしてみれば,自分が確信していたとしても治験で問題が起きたりしたら,と心配が尽きなかっただろうと思う.
様々な産業でイノベーションと規制の両輪の重要性が認識されていると思うが,規制する側というのも杓子定規にルールで縛るだけではないんだ,ということを忘れがち.世界規模で人類に直面したから特例で,ということではなく,やるべき試験・治験はすべてやる前提で,いかに「光速で」ゴールを達成したか,という点が強調されている.これを可能にしたのは,多様性を認めあう環境,予測困難な事業の成功にあたって人への投資がカギであった,のような持続可能社会におけるイノベーションの姿を示すようなメッセージで締めくくられる.
サイエンス読み物なので,検証されていない事件に対する憶測など(例:COVID-19の発生源とか)は慎重に除外するスタンスなので,悪者は登場していないが,大統領選での敗退を歓迎するような形でトランプ前大統領の言動が批判されている.EUによるビオンテックへの投資に関する優柔不断な態度は,ビオンテック科学者の意見でバランスをとり,中立の素振りを見せながら著者は批判的なのではないかと思った.
十字軍物語〈1〉 | 塩野 七生
独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)
ロシアによるウクライナ侵略がどうなっていくのか予断を許さないところです.いろいろなニュースを見ている中で,プーチン大統領がゼレンスキー大統領をナチ呼ばわりしていたのがなぜなのか気になってました.偶然,図書館で借りていたこの新書では,ペレストロイカ後の情報公開で明らかになった証拠資料を基づく研究成果である,第二次大戦時の独ソ戦の新定説を解説しています.ウクライナはまさに独ソ戦の戦場となっており,このあたりの歴史的背景も,プーチン大統領がウクライナにこだわる遠因なり減員になっているのではないかと.なお,ゼレンスキー大統領をナチと呼ぶ理由そのものではないようです.聞きかじりですが,ウクライナにネオナチがいるのは事実っぽいですが,ゼレンスキー大統領がネオナチに協力する拝啓なり根拠は全くなさそうだ,とのこと.